手術
手術は効果的な癌治療の中でも最も古い形態である。手術は単独または他の治療法と組み合わせて用いる。
癌患者の手術リスクが増大する要因には,合併症,癌に関連した衰弱,およびあまり一般的ではないが腫瘍随伴症候群がある(癌の概要: 腫瘍随伴症候群を参照 )。癌患者はしばしば食欲不振からくる栄養不良および腫瘍増殖による異化作用が起こるとともに,これらの因子が手術からの回復を抑制または遅延させる。患者は白血球減少または血小板減少を示すことがあり,これにより敗血症および出血のリスクが増大する。そのため,術前評価が特に重要である(外科患者の治療: 術前評価を参照 )。
転移のない原発腫瘍の症例では,手術が治癒的治療である。原発腫瘍周囲の正常組織の完全な切除縁を確立することが原発腫瘍切除の成功に重要である。病理学者による凍結組織の術中検査が必要であり,腫瘍細胞が切除縁で陽性の場合直ちにさらなる組織を切除する。しかしながら,凍結組織の検査は処理および染色した組織の検査に劣る。切除縁組織の後の再検討は,より広範囲の切除の必要性を明らかにする。
局所に進展した原発腫瘍の外科的切除では,浸潤のある所属リンパ節の除去,浸潤のある近接臓器の切除,または一塊切除も必要となることがある。特定の癌における手術単独による生存率は 癌治療の原則: 癌療法別の5年無病生存率表 1: に記載している。
原発腫瘍が近接の正常組織に広範囲に進展している転移症例では,他の方法(例,化学療法,放射線療法)により必要な切除範囲を縮小できるよう,手術を延期することがある。局所に進展した肺癌または頭頸部癌のように所属リンパ節転移がある場合は,非外科的療法が最もよい初期治療法である。単独の転移は,特に肺の場合,治癒率にみあえば,時に切除できる。
特に肝臓,脳,または肺への転移数が限定されている患者には,原発性および転移性腫瘍両者の外科的切除が有益なことがある。例えば,肝転移を伴う結腸癌では,肝臓の病変が4つ未満および適切な腫瘍切除縁が得られる場合,切除により5年生存率が30〜40%となる。
全身腫瘍組織量を減少させるための外科的切除である腫瘍減量手術は,卵巣癌のほとんどの症例のように全ての腫瘍組織の除去が不可能な場合,しばしば選択肢となる。腫瘍減量手術は,完全に明確ではない機序を介して,他の治療法に対する残存組織の感受性を増強しうる。腫瘍減量手術は小児の固形腫瘍および卵巣癌において良好な結果が得られている。
症状を緩和し,生活の質を維持する症状緩和目的の手術は,治癒の見込みがない,または治癒の試みによって患者に受け入れがたい副作用が起こる場合,妥当な代替療法である。腫瘍切除は疼痛管理,出血リスクの減少,または生命維持に必要な器官(例,腸管,尿路)の閉塞を軽減するために適応となることがある。近位閉塞がある場合は,胃瘻または空腸瘻チューブによる栄養補給が必要である。
再建手術は腫瘍切除後の患者の快適さまたは生活の質を改善しうる(例,乳房切除術後の乳房再建術)。
放射線療法
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